猛暑や長雨、台風の接近上陸による野菜価格高騰について考察します。
「台風のたまご」から正式な台風になり日本列島への接近が予想されています。
私自身、昨年と同様の長雨や台風による天候不良に見舞われると思っていませんでした。
昨年と同様に野菜価格の値上がりが木になるところですが、2018年秋から2019年にかけての野菜の値段の動向について考察していきます。
値段が上がる原因
集中豪雨による産地被害
2018年(平成30年)7月に広島や岡山、愛媛を中心に記録的な大雨による河川の氾濫や土砂災害が発生しました。
西日本を中心に死者数が200人を超える甚大な被害となりました。
全国で上水道や下水道、通信などライフラインが機能せず、日常生活に支障が来たすに被害となり、交通障害が広域的に発生してしました。
JR四国では香川県の観音寺駅と本山駅間で財田川にかかる鉄橋が崩れ、約1ヶ月間に渡り不通。愛媛県の
愛媛の卯之町駅から宇和島駅間も土砂崩れによる不通から約2ヵ月後の9月13日にやっと運行再開となりましたが、さまざまなところで甚大な被害が出ました。
ちなみに平成に入ってからの豪雨災害としては初めて死者数が100人を超え「平成最悪の水害」と報道されるほどの集中豪雨でした。
そのような被害が出るほどの集中豪雨。
野菜、農作物に影響が出ないわけがありません。
冠水による被害
台風は、接近し始めてから通過するまでの長期間にわたって雨が降ります。
台風の影響で局地的豪雨が起こり畑が冠水する場合もあります。
万が一、冠水してしまうと土が混ざった泥水に野菜が浸かり、腐敗や病気が蔓延する原因になります。
2016年、北海道に畑が冠水し、甚大な被害が出ました。
結果、玉ねぎ、ジャガイモが不作となり、特にジャガイモの不作は2017年4月にカルビー、湖池屋などのポテトチップスが一時販売中止に追い込まれました。
水はけの良い畑でも、河川の氾濫で冠水する可能性もあります。
日照不足による育成不良
野菜は太陽の光を浴びて光合成をおこない成長します。
成長過程で太陽光は必須です。
台風が日本に接近すると太陽を十分浴びることができず、野菜の成長に遅れてしまう場合があります。
収穫が遅くなるのはまだ良いのですが、売り物にする野菜が規格外となり、流通量が減ってしまいます。
そうすると野菜の価格が高くなります。
台風による長雨と日照不足は野菜高騰の原因の一つとなります。(台風以外でも長期間、天候が悪い場合)
地震による野菜への被害
2018年(平成30年)9月6日午前3時ごろに北海道胆振地方中東部を震源とした地震が発生しました。
最大震度は震度7。
北海道では観測史上、初めてはじめての震度7だったそうです。
「平成30年北海道胆振東部地震(ほっかいどういぶりとうぶじしん)」と名付けられました。
この地震で札幌市を中心に大規模停電や鉄道や飛行場も被害を受け、公共交通機関が麻痺。
とくに新千歳空港では設備の破損や停電が発生、またターミナルビルで多数の水漏れなどが発生し、空港が使用できな苦なったことが大々的に報道されました。
北海道での地震により農業面でも甚大な被害が出ました。
酪農では大規模停電のため搾乳ができず乳房炎が多発し、死亡する乳牛も発生しているそうです。
これは自分の専門外。
停電により牛乳工場での生乳の廃棄するというニュースが流れています。
こういう状況が早く改善してほしいです。
今後牛乳の入手困難な状況がいつまで続くのか多くの人が心配しています。
北海道は四国より広大な面積で、人口も約500万人。
北海道といえば「美味しい農産物の産地」というイメージを持っている方も多いと思います。
そんな北海道で畑や自宅が被災した農業者は多く、共同選果場などの施設も損傷。
収穫期を迎えたジャガイモや大根、キャベツ、コメなどの収穫、出荷はままならない状況。
10月は全体的に農産物が少なくなる時期。
今後野菜価格はここ数年と同じように高騰されることが予想されます。
値上がりが予想される野菜
玉ねぎ、じゃがいも、生姜など長期保存できる野菜は値上がりがある程度抑えられるのではないかと予想しています。
価格高騰が予想されるキャベツや白菜、小松菜、チンゲンサイなどの葉物野菜、ブロッコリー、カリフラワーなどの蕾の野菜、大根、人参など根を食べる根菜が冬野菜の主流になります。
これらの野菜は価格の値上がりが予想されます。
また、きゅうりやトマトなどのビニールハウスで栽培している夏野菜も価格の値上がりが予想されています。
ビニールハウス栽培では暖房器具でハウス内の温度を外気よりも高く設定し、保つ以外にも、太陽光の力が必要になります。
太陽光がなければ生育が遅いだけでなく、実がつきにくくなります。
野菜価格が本格的に上がる時期
周りの畑では収穫間近の農作物が見受けられます。
7月〜8月に植え付けした農作物です。
四国では11月から年末にかけてある程度野菜の収量はあるのではないでしょうか。
問題は10月に植え付けする予定の苗が長雨のせいで植え付けできていないとの情報があります。
収穫予定の来年1月以降の野菜は値上がりすると予想しています。
野菜価格高騰で出来る対策
万一、野菜価格が高騰した場合に備えて各家庭で出来る対策についても考えてみました。
ネット通販
インターネットを利用した宅配野菜を利用すれば野菜価格が高騰しても同じ価格で同じ量の野菜が必ず毎回届きます。
らでぃっしゅぼーやオイシックスなどを利用すると良いでしょう。
また、楽天やヤフーショッピング、Amazonなどのインターネット通販で安い野菜を購入することである程度、家計の負担を軽くすることができます。
野菜のお試し宅配サービスをまとめた記事を作成しました。
よろしければご覧ください。
道の駅、直売所を利用
道の駅や直売所の普及で、以前よりも身近になりました。
地元の人が作った野菜が多く並び、仲介手数料がかからない分、新鮮な野菜を比較的安価に入手できます。
また生産者の顔が見えるという安心感も手伝い、週末などは多くの人でにぎわっています。
冷凍食品
冷凍野菜は旬の時期に収穫されたものを冷凍しています。
調理が簡単なのでストックをしておくと便利です。
冷凍技術がかなり進歩していますので、栄養価や新鮮度を保つことができているので安心ではありますが、個人的には少し抵抗があります。
また、冷凍可能な野菜を特売でまとめ買いをして下処理後に冷凍野菜としてストックしておくと無駄もなく節約になります。
まとめ
野菜価格高騰の対策として野菜の冷凍やカット野菜の購入、もやしや豆苗などの安い食材の購入などがあります。
それでも旬のものって食べたいですよね。
兼業農家の立場としてはある程度の収穫量を見込める場合はある程度の値上がりはありがたいのですが、2016年のような異様な値上がり、高騰は望んでいません。
農家も少しでもいいものを少しでも安くお届けしたいのですが、今後野菜の苗の生育不良の考えられます。
安心安全の野菜が安定して供給できれば良いのですが、今後の台風の動きなどにも注意していきたいです。