2019年6月18日22時22分、山形県沖を震源とするM6.8の地震が発生しました。
新潟県下越で震度6強、山形県庄内では震度6弱の地震が観測。
また山形県・新潟県・石川県では津浪注意報も発令されました。
翌19日の午前中には津波警報が解除されましたが、テレビやインターネットでは2011年3月11以来の巨大地震による津波が心配されました。
地震発生地域では被害や負傷者がいる模様ですが、おおむね心配されていたほどの被害ないとのこと。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6327341
とりあえず一安心という感じでしょうか?
話は変わりますが、昨今囁かれている九州南部から四国、近畿地方南部、東海地方に渡る広範囲に被害をもたらすと言われている南海トラフ地震を心配している人も多いと思います。
この2019年6月18日の地震を予知していたという人や、満月による巨大地震発生の警戒を促しているサイトもちらほら見かけました。
では
- 現時点で地震予知は可能なのか?
- 研究者で地震を当てた人はいるのか?
- この地震だけでなく、南海トラフ地震を予知できるのか?
- いつ四国地方にM6を超える地震が起こるのか?
ということについてツラツラと書いていきたいと思っています。
結論からいうと
- いつ起こるかわからない
- どこで発生するかわからない
- どのくらいの規模の地震が起こるかわからない
- どんな被害が発生するかわからない
ということを言いたい。
そして、だからこそ前もって準備を行っておく必要があるんです。
地震の予知・予想について
地震の予知はできますか?
○月×日に□□地方で大きな地震があると聞きましたが、どうでしょうか?地震を予知するということは、地震の起こる時、場所、大きさの三つの要素を精度よく限定して予測することです。
例えば「(時)一年以内に、(場所)日本の内陸部で、(大きさ)マグニチュード5の地震が起こる」というようなあいまいな予測や、毎日起きているマグニチュード4程度以下の小さな地震を予測するような場合はたいてい当たりますが、それに情報としての価値はあまりないと考えます。
少なくとも「(時)一週間以内に、(場所)東京直下で、(大きさ)マグニチュード6~7の地震が発生する」というように限定されている必要がありますが、現在の科学的知見からは、そのような確度の高い地震の予測は難しいと考えられています。以上により、一般に、日時と場所を特定した地震を予知する情報はデマと考えられます。
お聞きになった情報で心配される必要はありませんが、日本は地震国であり、地震が起こらない場所はないと言っても過言ではありません。
日ごろから地震に対する備えをお願いいたします。
参照:気象庁 地震予知について
上記は気象庁の地震予知のQ&Aに書かれている内容です。
インターネットのとあるサイトでは、「オランダの地震予知研究者が今回の地震を予測した」と書かれた記事を見かけました。
しかし、地震を予測したとは言いがたい内容です。
いつ、どこで、どのくらいの規模の地震が起きるのか『特定の範囲を広げれば』、大抵当たるんですよね。
たとえば、
『東日本で7月1日までにM6以上の地震が再び起きる可能性があります』
と書けばどうでしょうか?
本当に来たら、当ブログ記事内で
って叫んでいいですか?
いや、冗談です。
すみません。
時期、場所、地震の規模を絞るのはどうしてでしょうか?
それはそこに住む住人や企業が、
- 危険を回避するため
- 被害を最小限に食い止めるため
- 命を落とさないようにするため
に行う安全のための注意喚起になるからです。
避難するための事前準備を可能にするための予知・予測である必要があります。
とか言われたって、範囲が広すぎて誰に注意喚起しているのか、わかりません!!
それって地震予知ではないということ!!
2019年6月18日に山形県沖のマグニチュードはM6.7。
上記の説明どおりで言えば、M7以上って書いてるってことは外れていますよね(^^)。
地震予測が実際に起こった地震に近いものがあれば、このように予測していた人を引き合いに出します。
しかしハズれたことはなかったことになるんです。
証券会社のデイトレーダーと同じように、予想が外れたらスルーするのが地震予知(^^)。
広範囲による地震の発生を当てただけではまったく適切でないし、意味がない。
なぜかというと、それは誰の役にも立たないから。
地震予測は被害を少なくすること、なくすことが目的だから。
この観点から行くと、M6以上の巨大地震を予測できた機関や研究者はいないです。
後述しましすが、震度4以上を観測した地震は多くの人が思っている以上に発生しています。
そもそも常日頃から日本全国でこれだけの地震が起きています。
日本は地震国。
地震が起こらない場所はありません。
また地震が起こらない日もないくらい起きているんですよね。
地震・火山・津波の情報
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地震の前兆
動植物の異常行動
動物や植物は地震を予知できるのですか?
動植物には、音、電気、電磁波、匂いなどに対する感知力が人間などに比べ格段に優れているものがあることは知られています。
一方、地震は、地中の広い範囲で、固い岩盤同士が、破壊し合い、ずれ合う大きなエネルギーの集中や解放を伴うため、徐々に岩盤が変形し始めたり、地下水位が変動したりして、地震の発生前から非常に微弱で特異な音、電気、電磁波、匂いなどが周辺の地面や大気などに現れ、それを動植物が感じ取る可能性もあるのかもしれません。
しかし、動植物は地震以外の理由によって通常と異なる行動・反応をすることがあり、また、動植物自体についてまだわかっていないことも多く、ましてや地震の前兆現象も解明できていない部分が多いことから、地震の前にそうした異常行動・反応をする理由について科学的に説明できていない状況です。
参照:気象庁 地震予知について
虫や動植物の異常行動について、一番下の項に書かれている内容をご覧ください。
- 地震以外の理由によって通常と異なる構想や反応をすることがある
- 科学的に解明されていないことも多い
- 地震や前兆現象も解明できていない
このため虫や動植物の異常行動・反応と地震の因果関係を結ぶのは現時点では難しいということです。
祖母の住んでいた家を重機で壊した時、多くのネズミやゴキブリが出て来ました。
それが近隣に拡散。
その時に家を壊していることを知らない人たちが、
『この虫の異常行動は地震の前兆ではないのか?』
と話していたことがありました。
wwwww
家を壊して引越していただけの虫か、地震の前兆行動かを見分ける方法は現時点ではありません。
意外と虫の異常行動は当てにならない可能性の方が高いかもしれません。
地震雲
地震雲はあるのですか?
雲は大気の現象であり、地震は大地の現象で、両者は全く別の現象です。大気は地形の影響を受けますが、地震の影響を受ける科学的なメカニズムは説明できていません。「地震雲」が無いと言いきるのは難しいですが、仮に「地震雲」があるとしても、「地震雲」とはどのような雲で、地震とどのような関係で現れるのか、科学的な説明がなされていない状態です。
日本における震度1以上を観測した地震(以下、有感地震)数は、概ね年間2,000回程度あり、平均すれば日本で一日あたり5回程度の有感地震が発生していることとなります。震度4以上を観測した地震についても、最近10年間の平均(2011年と2016年を除く※)では、年間50回程度発生しています。このように地震はいつもどこかで発生している現象です。雲は上空の気流や太陽光などにより珍しい形や色に見える場合がありますし、夜間は正確な形状を確認することができません。形の変わった雲と地震の発生は、一定頻度で発生する全く関連のない二つの現象が、見かけ上そのように結びつけられることがあるという程度のことであり、現時点では科学的な扱いは出来ていません。
※2011年と2016年の震度1以上を観測した地震回数は、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震や平成28年(2016年)熊本地震の活動により他の年より多くなっていることから、この平均には用いていません。
参照:気象庁 地震予知について
気象庁の丁寧なご回答、本当にありがとうございます。
- ほとんどの場合、飛行機雲が崩れたものが地震雲と呼ばれているそうです。
- でも中には地震雲もあるらしいです。
という説明を論破する内容になっています。
これ以上私の説明は不要ですね。
- 1日平均5回の有感地震
- 震度4以上を観測した地震は年間50回
先ほどの説明の通り、日本は常日頃から地震が発生する可能性がある地震国。
年間50回ということは、ほぼ一週間に一度震度4以上の地震が起こっている計算になります。
一週間以上の期間で地震予測すること自体がナンセンスということですね。
満月による地震との因果関係
2019年6月17日はストロベリームーンと呼ばれる満月の日でした。
ストロベリームーン直後の地震に注意喚起する内容の記事を見かけました。
月の満ち欠けと海の満ち引きが関係しています。
たしかに満月の後の地震は一因かもしれません。
しかし科学的根拠に乏しい、現状は満月と地震の因果関係が解明されていません。
今までの巨大地震発生日が満月直後というわけではないのが、単純な因果関係がないことを物語っています。
満月直後にばかり地震が発生するわけではないということです。
そして問題なのは、どこで地震が起きるか特定できないということ。
満月のたびにどこかで大地震が起こっているか?
それはないですよね。
いや、世界中ならもしかしたら・・・。
それならその満月直後の巨大地震を教えてください。
ほぼ毎月地震が起こっているんですよね。
ストロベリームーン直後に地震が起こっているなら、2018年はどこで巨大地震が起こりましたか?
2017年は?
2016年は?
日本では月と地震の関係性を示したブログ記事や記述がありませんでした。
南海トラフ地震について
南海トラフ地震の発生は予測できるのですか?
南海トラフ地震は、おおむね100~150年間隔で繰り返し発生していることが分かっていますが、その発生間隔にはばらつきがあり、震源域の広がり方には多様性があることが知られています。また、地震の発生時期や場所・規模を確度高く予測することは困難であると考えられています。
一方で、南海トラフ沿いで発生した大規模地震の直近の2事例では、東側の領域で大規模地震(1854年の安政東海地震、1944年の昭和東南海地震)が発生した後、それぞれ32時間後、2年後に残る西側の領域で大規模地震(1854年の安政南海地震、1946年の昭和南海地震)が続けて発生しています。そのため、今後南海トラフ沿いで大規模地震が発生した場合、残りの領域での地震発生の可能性が平常時に比べて相対的に高まっているとの評価が可能と考えられています。
また、南海トラフ沿いの大規模地震の想定震源域の周辺では、平時からプレート境界面で「ゆっくりすべり」という現象が観測されています。この現象はプレート境界の固着状況の変化を知る手がかりとなる現象と考えられています。この「ゆっくりすべり」が通常とは異なる場所や発生様式(変化速度が大きいなど)で起きている場合には、定性的には南海トラフ地震発生の可能性が平常時に比べて相対的に高まっているとの評価が可能と考えられています。
参考:気象庁 地震予知について
前回の南海トラフ地震(昭和東南海地震(1944年)昭和南海地震(1946年))が発生してから70年以上が経過しています。
南海トラフ地震は、100~150年間隔で繰り返し発生。
南海トラフ地震の周期を考えると、次の地震発生時期は2040から2090年にかけてとなるはず。
しかし気象庁は切迫性が高まってきていると公式に発表しています。
参考:南海トラフ地震とは
南海トラフ地震に備えて事前の準備を行っておこう!
南海トラフ沿いで異常な現象が見られた場合、何らかの情報は発表されるのですか?
南海トラフ沿いで異常な現象※が観測され、その現象が南海トラフ沿いの大規模な地震と関連するかどうか調査を開始した場合、または調査を継続している場合、あるいは観測された現象を調査した結果、南海トラフ沿いの大規模な地震発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まっていると評価された場合に、「南海トラフ地震臨時情報」を発表します。
※南海トラフ沿いでマグニチュード6.8以上の地震が発生した場合や東海地域に設置されたひずみ計に有意な変化を観測した場合などを想定しています。
参考:気象庁 地震予知について
南海トラフ地震発生の切迫性が高まってきている現在何をすべきか?ということを最後に書いていきたいと思います。
- 避難経路の確保
- 避難場所確認
- 家族との合流場所確認
- 家族知人との連絡方法
- 非常食や水の確保
- 防災グッズの確保
非常時には日常当たり前にしようできているものが使えなくなる可能性もあります。
現在ではスマートフォンやテレビ、インターネットといったところですね。
非常用にラジオが役に立ちます。
また水道・ガス・電気の供給がストップしてしまう可能性もあります。
非常用コンロを使用するためのガスボンベ、そして非常用の水を用意しておくといざという時便利です。
なかなか難しい問題が山積していますが、個人でできることを考えましょう。
また非常食や非常用パンを紹介しておきます。
食料と水の他には防災グッズの確保。
また今ではスマートフォン携帯充電器も必須アイテムの一つになっていますね。
スマホ充電器があれば2〜3日充電をまかなうことができるので非常に便利なグッズとなっています。
まとめ
2019年6月18日に山形県・新潟県で発生した地震に関連して地震の予知や、当ブログ運営者が在住している四国にも関係する『南海トラフ巨大地震』について書きました。
日本では大きな地震が起こるたび、津波注意報や津波警報が発表されるたびに『地震を予知していた』とか『地震を予測していた』という情報が飛び交います。
起こったことに対して後から出た「後出しジャンケン」的な情報ははっきりいって意味がありません。
その理由はこの記事で述べた通り、「時期」「場所」「規模」が曖昧だからです。
そして被害をなくすための情報が『後』から出ることに対しての憤りを感じずに入られません。
予知や予測が思っているよりずっと「あてにならない」からこそ、何が起こってもいいように常日頃から防災について家族や知人、身近な人と話し合っておくことが必要だなと感じました。
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これが今回この記事を書いた感想です。
最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。
この記事が誰かの役に立つことを願っています。