しいたけ 家庭菜園

しいたけの原木栽培の育て方 収穫までの手順と伏せ込み・置き場所などの注意点

家庭菜園に最適のしいたけ栽培キット

原木栽培と菌床栽培

家庭菜園で自宅用にしいたけを育てたいと検討している人は市販されているしいたけ栽培キットが便利!
しいたけ栽培キットを使用すると簡単に栽培できます。

また、ホームセンターで販売されているながさ100cm程度のしいたけ菌を植えつけた原木も販売されています。
原木栽培については陽の当たらない湿気のある場所に塀などに立てかけておくだけ。
簡単です。

家の中でしいたけを育てる場合は原木栽培よりも菌床栽培キットを利用するとより簡単に自家製しいたけを育てることができます。

一からしいたけの原木栽培をする場合に準備する物

ホームセンターでしいたけ菌活着済みの原木を購入した人にも役立つ原木栽培の手順です。
主に本格的にしいたけの原木栽培をする為の紹介になります。

用意するものは以下の通りです。

  • 場所(山か広い庭)
  • チェーンソー
  • 原木
  • 原木を輸送する軽トラック、搬送車
  • 種駒(しいたけ菌)
  • 電動ドリル
  • 種駒専用キリ
  • 金槌
  • 遮光ネット

山か原木を管理できる広い場所

山か庭、なるべく広い場所が必要です。
じめっとした日陰になる場所が望ましいです。
遮光ネット(寒冷紗)で原木を覆って対処しても良いですが、高い木々のある日陰か陽の当たらない塀があると良いです。

原木

四国愛媛でしいたけ栽培をするときの原木はクヌギが一般的です。

クヌギの他にはナラ、コナラ、カシ、シイ、シデ、クリ。
クルミ、サクラでもしいたけを育てることができるみたいです。

ホームセンターで購入するかインターネットで購入する方法があります。

種駒(しいたけの種)

種駒とはしいたけ菌がを付着させた駒のようなものです。
原木に穴を開けて、開けた穴に種駒を打ち込みます。

種駒もホームセンターやインターネットで購入できます。

オススメは「にく丸(290号)」という品種。
品種登録番号が290号で肉厚がありジューシーなしいたけ。
「肉厚」と「にく丸(290)」と語呂合わせです。

にく丸は日本のしいたけの90%以上のシェアを誇る育てやすくて美味しい大人気のしいたけの品種です。

しいたけにも様々な品種があり、いくつか違った品種の栽培を検討しましたが、気候的に四国では栽培しにくい品種が多く断念しました。
秋だけでなく、夏場に収穫できるしいたけの品種もありますが、高原や寒冷地などの比較的涼しい場所が適しています。
愛媛県の海沿いの場所では向かないようですね。

電動ドリル(インパクト)と種駒専用キリ

種駒にあったサイズのキリを電動ドリルインパクトに取り付けて原木に穴を開けます。
開けた穴に種駒を打ち込みます。
しいたけ栽培の先駆者の森産業の種駒用のドリルは9.2ミリ径です。
種駒の業者により太さが違います。
購入前には確認した方が良いです。

電動ドリルがなかった昔は手動で穴を開けていたんですね。
とてもじゃないけど無理です。

本格的なしいたけの原木栽培の栽培の手順

クヌギの木の伐採からしいたけの収穫まで約2年です。
しいたけの原木栽培の2年間の記録をYouTubeでも紹介していますので合わせてみていただけるとわかりやすいです。

先ほども紹介しましたが、しいたけ栽培に適した樹木はクヌギ、コナラ、ミズナラ、他にはアベマキ、ナラガシワ、シデ、カシ、シイ類です。
クヌギの原木でシイタケ栽培するのが愛媛では一般的です。

原木の伐採クヌギの木の伐採

ホームセンターでしいたけの原木となるクヌギを入手するのが良いです。
しいたけ菌を打ち込んでいない原木をインターネットで探しましたが見つかりませんでした。

私の場合はクヌギ林の所有者から直接購入させていただきました。

伐採を行なった時期は11月。
秋の葉っぱば黄色く色づいた時期が伐採の最適樹ですが、教科書的にいうと2月くらいまでは大丈夫です。

いただいたのは7〜10メートル前後のクヌギの木7本。
細い木もありましたが、幹の太いクヌギの木は30年かけてクヌギが成長したそうです。

クヌギの伐採後は葉がついた状態で3月から4月まで乾燥させる「葉枯らし」を行います。
乾燥が不十分だと樹皮下組織が生きて、シイタケ菌糸の成長が鈍くなります。

木の水分を抜く作業と言っても、単に放置するだけです。

伐採後の管理と玉切り

3月下旬のまだ霜が降りる寒い日に放置したままのクヌギの玉切りを行いました。
「玉切り」とは原木を90cm〜120cmの長さに揃えることです。

20cmを超える太い幹から5センチ程度の小さな細い枝まで余すことなく使用します。

玉切りしたクヌギを坂を登って軽トラックの荷台に乗せる作業がしんどかった^^;
細い坂道では機械を使用して搬入搬出ができずに全て人力で運び出しました。

原木の搬入としいたけ菌の植菌

120cmの原木を100本以上のシイタケ菌を植え付け活着させるためにクヌギ林から自宅の庭に持ち運びました。
自宅の庭には大きな栗の木と柿の木があり、日陰ができてシイタケ栽培には最適の場所でしたが、数年前にそれらの木が家族によって伐採され日向に変わってしまいました。

陽の当たる場所でのしいたけ栽培はキノコ栽培の失敗につながります。

種ゴマを使用した菌の植え付け「植菌」を行う際に使用するのはクヌギの他に電動ドリルと種駒専用の「キリ」金槌

森産業の種駒は9.2mm。
電動ドリルで穴を開けカナヅチで種駒の頭が樹皮面より出ないように打ち込みます。

幅が縦方向に20cm間隔、横方向には5〜6cm間隔でドリルで穴を開けて種駒を打ち込みます。

いろんなサイトやキノコ栽培の書籍など様々な書き方がされていますが、結構適当です。
自分の手を広げた時の親指から小指の先端まで20cm、人差し指の第二関節まで約5cm。
手サシで適当に穴を開けて、種駒をさして金づちで駒を打ち込んできます。

樹皮に傷があるところや枝の切り口があるところは間隔を狭めて菌を打ち込みます。
原木一本あたり約20〜25個の種駒を使用しました。100本だと2,500個の種駒を使用することになります。

この作業、毎朝30分続けて半月かかりました。

シイタケ以外に、あらげきくらげ、クリタケ、ヒラタケ、なめこの植菌も行いました。
大失敗ではありませんが、キノコ栽培の軽い失敗の一つの要因となったように思いますが、それはまた別のお話です。

仮伏せと本伏せ

植菌した原木は菌糸の活着を図るために、原木(ほだ木)を植菌後すぐに横積みにします。

ほだ木は直射日光が当たらない場所で雨が十分にあたり、風通しの良い場所に置きます。
これを「伏せ込み」と言います。

ほだ木の置き場所は直射日光が当たる場所だったので遮光ネット(寒冷紗)を伏せ込んだほだ木にかけて暑湿します。
雨が降らないときは散水すると良いです。

2〜3ヶ月するとチェーンソーでの切断部分が中心から白くなります。

すごくいい状態ではありませんが、中心から外に向かって白くなっている順調に菌がほだ木に行き渡り始めています。

9月くらいになるとほだ木を組み変えます。
本伏せです。

井げた積み、ムカデ伏せ、よろい伏せ。
他には三角積みや鳥居伏せなどがあります。

シイタケ栽培を始めたときは植菌した年の秋には井げた伏せをしていましたが、今回紹介しているしいたけの原木栽培に関しては植菌翌年の夏まで横積みの状態でほったらかしてしまいました。

これが失敗の原因の一つだったかもしれません。

植菌後の秋には仮伏せから本伏せへ組み替えるのがしいたけ栽培の基本だと思い知りました。

しいたけの発生と収穫

しいたけ菌の植え付け翌年の梅雨から秋にかけて本伏せしたほだ木をがシイタケを採取しやすいように合掌立てをします。
当ブログでよく紹介している「きゅうりのアーチパイプ」を利用すると場所の確保がしやすく便利です。
塀に立てかける感じでも大丈夫です。

10月に入り気温が下がってきたらシイタケが発生します。
シイタケ発生直前の夏から秋にかけて水分が必要です。
台風とかが来るとありがたいのは農作物の中でのしいたけだけかもしれません。

シイタケを採取する時は剪定鋏を使用せずに手で柄の根元からもぎ取ります。

傘が全快すると品質が落ちるので開ききる前に採取します。
どんこと言われる傘が開く前の状態が良いとされています。
個人的には傘が前回に開ききる前の開いた状態の市場に出回らないシイタケが濃厚で美味しいかなと感じています。

しいたけ栽培を失敗しないための注意点

しいたけ栽培で気をつける点は以下の通り。

  • 原木は日陰に置く
  • 仮伏せ、本伏せをきちんと行う
  • しいたけ以外のきのこの植菌作業は行わない
  • 収穫時は根元からもぎ取る

原木は日陰で保管する

日の当たる場所に原木を置く時の表面、樹皮が傷みます。

通常、原木はしいたけが発生してから5〜7年は収穫できます。
しかし、原木の表面が傷んでしまうと原木の寿命が短くなってしまします。
最悪、キノコが発生せず、失敗してしまいます。

仮伏せ、本伏せは必須

要は手順通りにしいたけ栽培を行うこと。

諸事情が重なり、しいたけ菌の植え付けから1年3ヶ月、原木を放置していました。
菌糸が原木に行き渡り、しいたけの発生しやすい状態を作るための準備です。
植菌3ヶ月後の本伏せを怠るとしいたけの量が予定していたよりも少なくなる可能性があります。

しいたけ以外のキノコを栽培する場合は距離をとる

発生したしいたけの横の原木になんとも言えないキノコが発生してしまいました。
しいたけの植菌の際に飛び散ったヒラタケや荒げきくらげの菌が付着したのか、それともカビか別の菌糸が活着してしまったのかどちらにしてもしいたけ以外のキノコが生えてしまいました。

どちらにしても雑菌が混じってしまったということです。

様々なキノコを同じ場所で植菌してはいけません。
いろんなキノコを栽培する場合は別の場所で栽培した方が良いです。

収穫するときははさみは使用してはいけない

しいたけを収穫するときは親指と人差し指でしいたけの柄の部分の「軸」と「石づき」の部分を持って上下左右に動かすとしいたけが簡単に原木から外れます。
しいたけの柄の根元からしいたけを収穫しましょう。

無理に原木からしいたけを剥がすと原木が傷みます。

ハサミでしいたけを収穫すると柄の部分が残ります。
残った柄の部分は食べることができないにもかかわらず成長し、原木が無駄に消費されます。

しいたけを収穫する際にはできるだけ原木を傷つけないことが重要です。

まとめ

しいたけの他にもエリンギ、マイタケ、ブナ、シメジ、クリタケなど栽培キットが販売されています。

興味のある方は様々なしいたけ栽培を楽しんでください。

残念ながら松茸の栽培キットはありません。

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