心奪われる映画やドラマにはパターンが有る。
人気作品の構成がわかる「神話の法則―ライターズ・ジャーニー」
ブログサイト界隈で知らない人はいないという染谷昌利さんがとある本のレビュー記事。
大変尊敬する人が読んだという本「神話の法則―ライターズ・ジャーニー」を、私も購入して読みました。
染谷昌利さんの記事を読んだ方はご存知かもしれませんが、この本はすでに廃盤になっています。
非常におもしろい本なのですが、残念です。
今でも非常に人気のある本でヤフオクやメルカリ、マーケットプレイスでは定価以上の価格になっています。
気になる方は最寄りの図書館で借りてくるのがいいと思います。
ちなみに最寄りの図書館にはなかったのでヤフオクで購入しましたorz。
目次
- 序文
- マッピング・ザ・ジャーニー(旅の地図)
プラティカル・ガイド(実用書)
アーキタイプ(原型)
ヒーロー(英雄)
メンター(賢者)
シュレスホールドガーディアン(門番)
ヘラルド(使者)
シェイプシフター(変化する者)
シャドウ(影/悪者)
トリックスター(いたずら者) - ステージ・オブ・ザ・ジャーニー(旅の舞台)
1 オーディナリー・ワールド(日常の世界)
2 コール・トゥ・アドベンチャー(冒険への誘い)
3 リフューザル・オブ・ザ・コール(冒険への拒絶)
4 ミーティング・ウィズ・ザ・メンター(賢者との出会い)
5 クロッシング・ザ・ファースト・シュレスホールド(第一関門突破)
6 テスト・アライズ・エナミーズ(試練、仲間、敵対者)
7 アプローチ・トゥ・ジ・インモースト・ケイブ(最も危険な場所への接近)
8 オーディール(最大の試練)
9 リウォード(報酬)
10 ザ・ロード・バック(帰路)
11 リシュアラクション(復活)
12 リターン・ウィズ・ジ・エリクサー(宝を持っての帰還)
ライターズ・ジャーニーの概要
ストーリーというのはいくつかのパターンの組み合わせでできているという内容。
やスターウォーズを例にわかりやすく説明してくれています。アマゾンプライムに登録している人はPrime Videoからオズの魔法使いを無料で視聴できます。
この本にも書かれていましたが、この原理を知っておくことにより映画やドラマ、小説、ひいては人生にも役立つとのこと。
誰が自分にとってのメンターで誰がシュレスホールドガーディアンなんだろう?
あいつはもしかしたら俺にとってのヘラルドか?
なんてこの本にすっかりはまっちゃいました^^;。
君の名はを例に
主人公が一つの目的に向かって悩んだり迷ったりしながら成長していく、英雄物語(ヒーローズ・ジャーニー)。
2016年に大ヒットした新海誠監督の『君の名は
』を例に挙げてみようと思います。3幕構成と7種のアーキタイプ
登場するキャラクターの元型(アーキタイプ)には、
- 「英雄」→瀧・三葉
- 「賢者」→一葉
- 「門番」→宮水俊樹
- 「使者」→二葉 奥寺先輩
- 「変化する者」→テッシー・さよちん
- 「影/悪者」→ディアマト彗星
- 「いたずら者」→四葉
なんか違うかな(^_^;)。
物語は以下の3幕構成で出来上がっています。
- 「出立・離別」→夢の中で入れ替わる
- 「試練・通過儀礼」→実際に会いに行く(しかし・・・)
- 「帰還」→隕石が落ちたが助かる
さらに「出立・離別」の中にはいくつかの項目に分かれます。
- 「日常の世界」
- 「冒険の誘い」
- 「冒険への拒絶」
- 「賢者との出会い」
- 「第一関門突破」
「試練・通過儀礼」には
- 「試練・仲間・敵対者」
- 「最も危険な場所への接近」
- 「最大の試練」
「帰還」には
- 「帰路」
- 「復活」
- 「宝を持って帰還」
という要素が取り込まれています。
要はこれらの組み合わせでできているっていうことですよね。
日常の狭い田舎の生活から夢の中で入れ替わり「冒険への誘い」を受けた三葉。
また入れ替わりで冒険の誘いを受けた瀧。
突然入れ替わりがなくなり、実際に会いに行くところから『試練』『最も危険な場所への接近』『最大の試練』を経験する瀧。
三葉ももう一度入れ替わり、最大の試練に立ち向かって行く。
無事帰還、『ずっと誰か(何か)を探していた』というクライマックスでは、モノではなく気持ち(記憶)という宝を持ち帰ってきた二人。
下手な人間が検証すると良くないですね^^;。
ただ実際に当たっているかどうかは置いといて、千と千尋の神隠しや天空の城ラピュタ、現在公開している天気の子なんかに当てはめてしまう「癖」がついてしまいました。
まとめ
文章を書く人やシナリオライターにとってとくにオススメの書籍です。
映画や小説など、物語が好きな人はぜひ読んでほしい一冊です。
ロードオブザリングやハリーポッター、ゲド戦記(映画ではなく小説の方)も神話の法則に書かれている、『3幕構成と7種のアーキタイプ』の基本かなと思います。
とくにこの本を読んだ後で、ゲド戦記の一巻を読むと、この法則に忠実であることが非常にわかりやすく面白かったですね。
映画好き、小説好きの人は物語の仕組みがわかるので、違った意味で趣深いかもしれません。
しっかり熟読したいのであと2回は読みたいです。