農業・農作業 野菜の育て方

農家が教える家庭菜園の際に備えることのできる台風対策

2017年10月22日、超大型台風「台風21号」が中部地方から関東圏を通り、福島を抜けました。
10月23日現在新たな台風は発生していませんが、日本の遥か南の海上で台風になりそうな「台風のたまご」が発生しています。
今後台風22号となり、日本に接近することも予想されます。

兼業農家の私が今まで経験した事を元に家庭菜園における台風対策について紹介します。

台風の影響により受けやすい野菜への被害

雨風とも農作物の葉っぱを茎を傷つけやすいです。
葉っぱや茎が痛むと予定していた収穫量がとれない、最悪収穫できない可能性もあります。

雨による被害

トマトやスイカなど、収穫間際の実が雨に当たると割れる野菜があります。
また、激しい雨により畑が池のようになってしまい、最悪が根腐れしてしまうこともあります。

苗や種を植えている場合は、雨によって土ごと押し流される可能性もあります。

風による被害

激しい風が吹くとトマト、茄子、胡瓜など支柱で支えている野菜が倒れやすくなります。

ゴーヤやキュウリなどつる性の植物を窓の外にはわせるグリーンカーテンはネットごと飛ばされる可能性もあります。

都会ではさらに、高層住宅などでベランダ菜園では風の強さによってはベランダや植木鉢が飛んでしまうかもしれません。
万一下に落ちて通行人がケガをすれば大変です。

また、農作業の道具にも注意が必要。
じょうろや支柱など軽いものは、風で飛ばされる可能性があります。
近所の家の窓や屋根に当たれば、屋根を傷つけたり窓を割ったりする危険があります。

台風が来る前にできる対策は農作物の種類によって違う!

トマト、きゅうり、なすはもともと支柱が必要な野菜です。台風対策というよりは支柱をなるべく深く地中にさしておいた方が良いです。

とうもろこしは台風対策として支柱を立てると役に立ちます。
とうもろこしが収穫間近の場合は支柱をする必要はありません。
台風が過ぎ去ってから倒れた状態から収穫しても問題ありません。

スイカはビニールを被せておくと少しでも割れるのを防ぐことができます。

さつまいも、ジャガイモ、里芋はできることがありません。
水はけの良いところで栽培するのは芋類を栽培する基本です。
2016年のような池になるような大水害はかなりの特殊事例です。
台風が来たら運を天に任せるのみです。

農作物の収穫が開始前、収穫最盛期、終了間近によって違う

どんな野菜でも、収穫開始時期、最盛期、終了間近の3時期に分けることができます。

例えば6月に収穫開始したトマトは温暖な地域であれば11月まで収穫が可能ですが、だんだん品質が落ちて味が悪くなります。
10月の台風接近で収穫終わりと割り切って根元から切り落とし、支柱などの資材が強風で飛ばないように後片付けすると良いでしょう。

収穫開始直前、収穫最盛期に来る台風については水はけを良くするために深く畝上げしたり、支柱を深めにするなど対処すると良いです。
プランター栽培の場合は雨風の当たらない場所に移動して台風をやり過ごしましょう。

そのほかは少しても台風が直撃しないように祈るのみです。

台風が来る時期によって違う

6月、7月に来る台風は最悪です。
先ほどの紹介の通り、収穫直前、収穫最盛期に台風が直撃すると野菜の収量が落ちたり、とれなかったりします。
この場合は我が家では天に祈っています。

9月、10月の台風は主に秋植えの冬野菜がメインになって来ます。台風に備えて畝を高めにあげたり、牛糞や豚糞の有機肥料を投入して水はけの良い肥えた土にしています。
よく販売されている3号ポットの苗であれば活着(根が土に根付いている)していれば葉っぱに痛みは出ますが、枯れてしまうことはありません。
わざわざビニールキャップをかぶせる必要はありません。

してはいけない台風対策

キュウリやトマトなど、支柱を使用し、背が高くなった農作物にビニールをかぶせると煽られて飛ばされる可能性があります。
確かに野菜を雨と風から守る役目を果たしますが、風の受ける面積が大きければ支柱ごと飛ばされてしまい、道路に転がって自動車の通行の妨げになったり、窓ガラスを割ってしまう原因となります。

使用する際には十分な注意が必要です。

網目の細かいネットが意外とお勧めです。

まとめ

以上、台風対策について書きました。
栽培面積が大きいため、「運を天に任せる」的な方法を多用してしまいましたが、農作業道具や資材が風で飛ばされることが一番心配です。

野菜は諦めて、次の年に改めて野菜作りをするときに台風が来たときに備えて高い目の畝上げや支柱をしっかりと固定することなど台風でなくてもできる基本的なことが大事です。

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