火星が10年ぶりに接近したというニュースを聞きながら、農業って儲かるのかを考えてみる。
いきなり結論から言うが、儲かる仕組みを構築するには、お金、時間、場所という3点が必要である。
それに、普通の商売でも当然の事だがプラスαが必要になってくる。
場所(土地の広さ)
場所というのは野菜を作る土地、つまり農地、作付け面積の事である。
農業では普段使わないような面積の単位を使用する。
代表的な一歩・一畝・一反・一町の面積をについて書いておく。
一歩(いちぶ)
一歩は約3㎡で、面積としては1坪(畳二畳分)と同じです。
一畝(いちせ・いっせ)
1畝は約100㎡です。
1aは100㎡なので、1畝=1aです。
一反(いったん)
1反は約1,000㎡、10rです。
昔は、お米が1石(成人1年間の米消費量)分収穫できる面積を「反」としていたそうです。
一町(いっちょう)
一町は約10,000㎡、1haです。10反で1町になります。
農地の単位表
単位 | 読み方 | 面積(約) | 別表記 |
歩 | ぶ | 3㎡ | 1坪(約2帖) |
畝 | せ | 100㎡ | 1a |
反 | たん | 1,000㎡ | 10a |
町 | ちょう | 10,000㎡ | 1ha(10反で1町) |
a | アール | 100㎡ | |
ha | ヘクタール | 10,000㎡ | 1町 |
ac | エーカー | 4046.9㎡ | 約4反 |
上記で書いた農作物を作る面積が広ければ広いほど収入を得る事ができる。
その分、諸経費や人件費もかかる。
お金 費用 経費
種や苗を購入したり、トラクターや耕運機などの農機具、肥料、ビニールハウス栽培ならビニールハウスハウスを組み立てるパイプやビニールなどの資材など農業にかかる費用は多岐にわたる。
そして、栽培する農地が広ければ広いほど経費も必要になる。
この金額をどれだけ抑えるか、そしていかに効率よく栽培していくかがカギになる。
時間
種を蒔いてから収穫販売するまで。
工場で言えば仕入れた材料を加工し、完成品、商品を出荷するまでの期間期間。
短ければ短いほど回収も早くなる。
農作物の美味しさやこだわりがなく、お金儲けだけ考えるなら、通常より早く収穫できる早生(わせ)品種を栽培するのも1つの手である。
営業力 売り先はあるか
プラスαとして売り先、納品先販路という問題である。
通常、農家は農協に出荷するか青果市場に出荷する。農協にに出荷すれば値段は買い叩かれる可能性がある。青果市場の場合は競りによって値段が決まる場合が多い。
値段が高い場合はいいが、値段が安い時も多い。
価格が安い時というのは供給過剰になっている場合以外にも品質、また青果市場に安定的に出荷していない場合も出荷価格が安くなってしまう。これは嘘だと思うような本当の話。
飲食店やスーパー、インターネットでの販売、またその他の販売先があるかどうかということ。
売値も問題。
せっかくいいものを作っても安く買い叩かれたら何の意味もない。
実例
一反あたりに約20000本の玉ねぎを植えました。いや、俺が植えたわけではないけど…
例えば、玉ねぎ苗を100本890円だとすると昨シーズンの玉ねぎ栽培(一昨年に植え付けて去年収穫)20000本だと苗だけでかなり高額になる。
一反当たりのことを反当(たんとう)と言いますが、反当収穫量は何kgになりますか?反当いくらになりますか?
1反あたり約6トン、1kgあたり100円だと約60万円という事になる。
これがいくらぐらいになるのか目安を立てなければいけないということ。
これに対して何人雇ったか、どのくらいの肥料を使用したか、農薬はどれくらい使ったか?
藩種(はんしゅ)前の土作りから収穫、販売までの労力はどのくらいか?
規模が大きくなるほど金額も大きくなり儲かる農業になる。。
注意点
農機具、農薬、肥料など、かなりの出費がかさみます。
これをどうやって抑えていくかが、課題となります。
どれだけ経費を抑える事ができるかが大変重要になる。
規模が大きすぎると無農薬栽培はできない
ある程度の規模で農業をやっていこうと思ったら、農薬を使わないいわゆる「無農薬栽培」というのは無理。
これは実体験と周りの農作業を見ているので、もし大規模かつ、無農薬栽培に取り組んでいるところがあれば、見学しに行こうと思っています。
無農薬栽培が難しいな理由
ある農家の話を聞いてきました。
野菜よりも難しいと言われるお花の生産者の話です。
小さい敷地でする分にはいろいろ工夫すると可能かもしれないが、ある一定以上の規模で生産し始めると、途端に害虫が発生し、病気が蔓延するから無理とは言わないが、かなり難しい。
ある一定以上の規模というのは家庭菜園レベルではなく、農業だけで生活していけるだけの大きさの農地ってこと。
儲けている人は少数だという意見
農業経営って特別扱いみたいに言われるが、普通の経営と同じだから、儲かるところは儲かるし、儲からないところは儲からない。
営業力、規模の大きさ、縦や横のつながり、いろいろあると思う。
農業ってよく「自然を相手にするから大変だ」っていうことをよく聞くが、経営していく上で起こる事態の方がかなり大変である。
まとめ
農業に従事するということは好きなものだけ種をまいて育てて収穫すれば良いというわけではない。
家庭菜園ではないし、家庭菜園の延長線上ではない。
経費や人件費を考えて経営していかなければならない。
大きなグランドデザインを描いて細かいディティールを考えて事業を起こしていかなければならないのである。